日本家屋と夏

皆様、こんにちは。代表の石井です。

新型コロナウィルス感染の「第5波」では、
20歳未満の子供への感染が、今春の「第4波」の時の、
4倍に達したそうです。(8月中旬の感染者数)

夏休み明けの学校での流行が起きなければよいのですが、
感染拡大、心配ですネ。

今回は【日本家屋と夏】についてお話しさせていただきます。

「家の作りやうは、夏を旨とすべし。冬は、いかなる所にも住まる。
 暑き比わろき住居は、堪え難き事なり」

という一節が、吉田兼好が執筆した[徒然草]にあります。

「家は夏に合わせた作り方をすべきだ。冬はどんなところにも住むことができるが、
夏に熱い家に住むのは耐えられない」という意味です。
この[徒然草]にあるように、伝統的な日本家屋は
「夏仕様」で造られていました。

当時は、今とは違い冷暖房がありませんでしたが、
家の中のどのような所に暑さを凌ぐ工夫がされていたのか、
構造を見てみましょう。

まずは、【縁側と庇】
近年になって、新築の家でも縁側が取り入れられたり、
[縁側カフェ]ができたりと再び魅力が見直されている縁側です。

縁側とは和室と屋外の間に設けられた板張り上の通路を指します。

居室と屋外の間に縁側があることにより、
そこが緩衝地帯となって室温を一定の温度に保つ効果があるのです。

また、縁側の上にある【軒】と呼ばれる屋根のが、
縁側の上に張り出していて、夏の直射日光が、
部屋に入るのを防ぐ効果があります。

昔から日射を防ぐためにすだれも活用されていました。

は、他にも雨や、日差しによる木材を劣化から守る
役割も果たしています。

次に【障子と襖】です。
部屋家で重要な役割を持つのが、障子です。

部屋と部屋を隔てる間仕切りの役をしている障子ですが、
高温多湿な日本にとっては重要な役割を果たしています。

全て開け放てば、部屋と部屋がつながって、
風の通り道ができ、熱や湿気を逃がす効果があります。

空けたり閉めたりと通風を変化させることで、
室内温度を調整する機能があるというわけです。

障子は和紙を通して採光ができるので、外に面した部屋に、
は部屋同志の仕切りに使われます。

また、障子だけではなく、
屋根裏や床下などにも通風口を設けるなど、
いろいろな所に風を通すための工夫があります。

最後に【茅葺屋根】です。
木造家屋の屋根といえば瓦イメージされますが、
瓦屋根よりもさらに歴史が古いのが茅葺屋根です。

茅葺屋根はススキやヨシなどの草を乾燥させたものを、
重ねることでできています。

分厚い繊維を集めた茅葺屋根は通気性に優れ、
熱を外に逃がします。

更に、熱吸収効果を持ち、断熱性も高いのです。
また、茅葺屋根は水の気化熱を利用して、
室内温度を下げる機能を備えているともいわれています。

梅雨の時期に屋根に雨水をため込み、
夏の気温や日差しによってそれを蒸発させることで、
室内の温度を下げているのです。

今回は、日本家屋の夏対策についてお話しさせていただきました。
皆様のお近くでも取り入れている家屋があるかもしれませんね。

家づくりをお考えの方や、新築・リフォームをお考えの方に、
これからも寄り添える工務店でありたいと考えております。
お気軽に、石井工務店までご相談ください。

ishii-komuten.jp/contact-ssl/